【初めから始める数学(はじはじ)】使い方や参考書ルートを塾長が徹底解説!やさしい高校数学とどっちを選ぶ?

参考書の解説で「この式からこの式への変形」が省略されてて、そこで毎回止まってしまう…

教科書レベルから、本当にゼロからやり直したい…
数学の解説書で挫折する原因のナンバーワンは、実は「レベルが高いから」ではなく「途中式が省略されているから」です。
その途中式の省略を徹底的に排除した入門書が、マセマ出版社の『初めから始める数学』シリーズ(通称:はじはじ)です。
※書影画像をここに挿入してください(wp:image ブロック)
正直に言うと、表紙のデザインはかなり昭和です。でも中身は、計算の行間を1行も飛ばさない、入門書として最高峰の丁寧さ。この記事では、はじはじのレベルと使い方、同じ入門帯の『やさしい高校数学』とどちらを選ぶべきかまで解説します。

この記事では、23歳で個人塾を立ち上げ、開校9年目の今では2年先まで空き待ちをしていただいているわたしが、現場のリアルな意見をもとにお伝えします!
初めから始める数学のレベルと立ち位置
参考書ルートでの位置づけは教科書レベル以前〜教科書レベル(真のゼロ向け入門帯)。やさしい高校数学と同じく、入門問題精講のさらに一段下、数学ルートの最初の一段目です。
| 分冊 | 定価(税込) |
|---|---|
| 数学Ⅰ | 1,485円 |
| 数学A | 1,276円 |
| 数学Ⅱ | 1,430円 |
| 数学B | 1,210円 |
| 数学Ⅲ・C Part1 | 1,430円 |
| 数学Ⅲ・C Part2 | 1,485円 |
各冊250ページ前後のコンパクトな分冊で、「day」単位(1day=60〜120分の学習量)で章立てされているのが特徴。「今日はday3まで」と計画がそのまま立てられる、独学に優しい設計です。
最大の武器:途中式を1行も省略しない解説
はじはじの解説は、式変形の途中経過を徹底的に書き切ります。「移項してまとめると〜」の一言で3行飛ばすようなことをしない。だから「この式からこの式、どうなってるの?」という、数学挫折の定番ポイントが発生しません。
語り口も講義調で親しみやすく、教科書ではあっさり流される「なぜこの公式が成り立つか」まで、かみくだいて説明してくれます。

正直、表紙は昭和の香りがしてダサいです(笑)。でも中身は本当にバツグン。表紙で敬遠している人は、書店で1ページだけ読んでみてください。印象が変わります。
【本題】やさしい高校数学とどっちを選ぶ?
同じ「真のゼロ向け」入門帯の2大巨頭が、はじはじと『やさしい高校数学』(Gakken)です。レベルはほぼ同じなので、選ぶのはどちらか1つ。違いはスタイルです。
| 初めから始める数学(本書) | やさしい高校数学 | |
|---|---|---|
| 解説スタイル | 講義の語りかけ調 | 先生×生徒の会話形式 |
| 途中式の細かさ | 省略ゼロ・最強 | 丁寧(会話で補足) |
| デザイン | 昭和感(人を選ぶ) | 今風で親しみやすい |
| 分冊 | 6冊・day制で計画的 | 3冊で管理がラク |
| 1冊の分量 | 250頁前後でコンパクト | 668〜968頁と大ボリューム |
| 演習の補完 | 姉妹編『初めから解ける数学』あり | 次の参考書で補う |
選び方はシンプルです。式変形の一行一行まで確認しながら着実に進みたい人・薄い本をday単位で積み上げたい人ははじはじ。会話でスラスラ読みたい人・見た目の親しみやすさがモチベーションに直結する人はやさしい高校数学。


入門帯は「続けられるかどうか」がすべてです。中身の優劣より、毎日開きたくなる方を選んでください。どちらを選んでも、その先のルートは同じ場所につながります。
演習版『初めから解ける数学』との併用
はじはじの弱点は問題数が1冊50〜60題と少ないこと。「読んでわかる」を「解ける」に変えるには演習の補完が必要です。
マセマはそのために姉妹編の『初めから解ける数学』(演習問題集)を用意しています。はじはじで理解した単元を、解ける数学の同じ単元で演習する。このセット運用が公式の想定ルートです。
ただし全員に必須ではありません。このあと入門問題精講に進むなら、演習はそちらで十分。学校の傍用問題集がある人もそれで代用できます。
初めから始める数学が不要な人(先に確認!)
教科書レベルがすでに理解できている人
授業についていけていて教科書の例題が解けるなら、入門帯は不要です。入門問題精講から始めて、入試への階段を登り始めましょう。

1冊でたくさん演習したい人
はじはじは「読んで理解する」本で、1冊の問題数は多くありません。演習量を最優先するなら、この帯の本ではなく次の段階の参考書で確保してください。
昭和デザインだと開く気がしない人
冗談ではなく、これは正当な選択基準です。毎日開けない参考書は、どんなに中身が良くても成績を上げません。見た目が受け付けないなら、迷わずやさしい高校数学を選んでください。
初めから始める数学を使うべき人
解説の式変形で毎回止まってしまう人
はじはじのベストユーザーです。途中式の省略ゼロという武器は、「式変形で迷子になる」タイプの悩みをピンポイントで解決します。ほかの参考書で行間に苦しんだ経験がある人ほど、ありがたみがわかります。
day単位で計画的に進めたい人
「1日1day」と決めるだけで学習計画が完成します。計画を立てるのが苦手な人でも、構成そのものがペースメーカーになってくれる設計です。薄い分冊を1冊ずつ終わらせる達成感も、ゼロからのやり直しには効きます。
数学をゼロからやり直したい受験生・高卒生
「高校数学が壊滅している」状態からの再スタート地点として、やさしい高校数学と並ぶ二大定番です。高2の冬までに始められれば、はじはじ→入門問題精講→網羅系のルートが受験に間に合います。

おうちの方に買ってもらう必要がある場合は、この記事をご家族の方に共有しよう。
みんなの代わりにこの参考書のよさをしっかりプレゼンします。
初めから始める数学の使い方・ゴール地点
STEP1:1日1dayのペースで読み進める
day構成に乗っかって、「毎日1day」を基本ペースにしましょう。1dayは60〜120分の設計なので、部活がある日でも現実的に回せます。1冊250ページ前後なので、1冊あたり2週間〜1か月で完走できます。
STEP2:途中式を「写経」ではなく自分の手で再現する
省略のない途中式は、眺めるだけなら「わかった気」で終わります。例題は本を閉じて、式変形を最初から最後まで自分の手で再現してください。1行でも詰まったら、そこがあなたの穴です。
STEP3:7〜8割の理解で先へ進む
入門帯の本は完璧主義が大敵です。7〜8割の理解でどんどん先に進み、わからなかったdayに付箋を貼って2周目で回収しましょう。
STEP4:演習を『初めから解ける数学』か次の参考書で補う
読んで理解した単元は、必ず演習で「解ける」に変換します。セットで固めたいなら解ける数学、先を急ぐなら入門問題精講の同じ単元へ直接リレー。どちらでもOKですが、「読んだだけ」で放置しないことが絶対条件です。
ゴール地点:教科書と入門問題精講が「読める」ようになったら卒業
- 教科書の説明が「何を言っているか」わかる
- 基本公式を使って教科書レベルの問題が解ける
- 入門問題精講の解説が詰まらずに読める
やさしい高校数学と同じで、この帯に永住しないこと。3つの条件がそろったら、迷わず次の段階へ進んでください。
前後の参考書ルート
| 段階 | 参考書 |
|---|---|
| ゼロ→教科書 | 初めから始める数学(+初めから解ける数学)または やさしい高校数学 |
| 教科書→入試基礎 | 数学入門問題精講 |
| 網羅 | 黄チャート(中堅志望)/基礎問題精講(時短) |
| その先 | 橋渡し教材→過去問(志望校別) |


「本を読むより授業動画で学びたい」タイプは、はじはじの代わりにスタディサプリから入るルートもあります。私の塾でも導入している組み合わせです。

まとめ
『初めから始める数学』は、途中式の省略ゼロという一点で、式変形に苦しむすべての初学者を救う入門書です。
表紙は昭和、中身は一級品。day単位で毎日読み進め、途中式を自分の手で再現し、単元ごとに演習へリレーする。この流れで、教科書が読めない状態から入試の土俵まで確実に登れます。
やさしい高校数学とどちらにするかは、書店で1ページ読み比べて「続けられる方」を。入門帯の正解は、あなたが毎日開ける1冊です。

がんばるみなさんを陰ながら応援しています。ファイトです!

