【やさしい高校数学】使い方や参考書ルートを塾長が徹底解説!入門問題精講との違い・初めから始める数学との比較も

「入門」って書いてある参考書を買ったのに、それすら難しくて心が折れた…

教科書を読んでも意味がわからない。授業はもっとわからない…
実は参考書の世界には「入門」と名乗っているのに、一定の数学力がないと読めない本がたくさんあります。当サイトでおすすめしている入門問題精講もその一つで、あれは「教科書がある程度わかる人」向けの本です。
本当のゼロから始めたい人のための1冊目が、Gakkenの『やさしい高校数学』シリーズ(きさらぎひろし著)です。
※書影画像をここに挿入してください(wp:image ブロック)
この記事では、なぜこの本が「真のゼロ向け」なのか、入門問題精講との立ち位置の違い、比較されがちな『初めから始める数学』(マセマ)との選び方、そしてこの本を卒業したあとの接続まで解説します。

この記事では、23歳で個人塾を立ち上げ、開校9年目の今では2年先まで空き待ちをしていただいているわたしが、現場のリアルな意見をもとにお伝えします!
やさしい高校数学のレベルと立ち位置|「入門の、さらに前」
参考書ルートでの位置づけは教科書レベル以前〜定期テスト。当サイトの数学ルートでいうと、入門問題精講よりさらに一段下、ルートの最初の一段目です。
| 段階 | 参考書 | 前提となる学力 |
|---|---|---|
| ゼロ→教科書 | やさしい高校数学(本書) | なし(中学数学の基礎だけ) |
| 教科書→入試基礎 | 入門問題精講 | 教科書レベルの基本公式が使える |
| 入試基礎→標準 | 黄チャートなどの網羅系 | 入門レベルの理解 |
最大の特徴は、先生と生徒たちの会話形式で進むこと。生徒キャラが「なんでそうなるの?」とつまずいてくれるので、読者が疑問に思う場所で必ず立ち止まって説明してくれます。教科書の行間を全部埋めてくれる「翻訳機」のような本です。
| 分冊 | 定価(税込) | ページ数 |
|---|---|---|
| 数学Ⅰ・A | 1,870円 | 668頁 |
| 数学Ⅱ・B 改訂版 | 2,585円 | 880頁 |
| 数学Ⅲ・C 改訂版 | 2,970円 | 968頁 |
ページ数に驚くかもしれませんが、会話形式なので読むスピードは普通の参考書よりずっと速い。「分厚い」のではなく「省略がない」と考えてください。

「参考書が読めない」のは能力の問題ではなく、その本があなたの現在地に合っていないだけです。ゼロの人にはゼロ用の本がある。それがこのシリーズです。
入門問題精講との違い|「入門」の言葉に注意
ここが一番誤解されやすいところなので、はっきり整理します。
| やさしい高校数学 | 入門問題精講 | |
|---|---|---|
| 本当の対象 | 教科書がわからない人 | 教科書はわかる人 |
| 役割 | ゼロ→教科書レベルの理解 | 教科書→入試基礎への理解深化 |
| 形式 | 会話形式で読み進める | 講義+問題演習 |
| ゴール | 授業・教科書についていける | 入試基礎の思考プロセス習得 |
入門問題精講は素晴らしい参考書ですが、「入門」と付いていても教科書レベルの基本公式が使えることが前提です。そこで挫折した人・これから始める人は、本書を先に挟んでください。遠回りに見えて、これが一番速い。

『初めから始める数学』(マセマ)との比較
同じ「真のゼロ向け」帯でよく比較されるのが、マセマの『初めから始める数学』(通称はじはじ)シリーズです(演習版の『初めから解ける数学』とセットで展開されています)。
| やさしい高校数学 | 初めから始める数学(マセマ) | |
|---|---|---|
| 解説スタイル | 先生×生徒の会話形式 | 講義の語りかけ調 |
| デザイン | 今風で親しみやすい | 昭和の香りがする表紙(好みが分かれる) |
| 分冊 | ⅠA/ⅡB/ⅢCの3冊 | 細かい分冊(冊数が多い) |
| 演習量 | 読み物寄り・例題中心 | 『初めから解ける数学』で補える |
内容のレベルに大きな差はなく、どちらか1つで十分。会話形式でスラスラ読みたい人・見た目の親しみやすさが大事な人はやさしい高校数学、講義口調でテンポよく進めたい人はマセマ、という好みの問題です。

マセマは表紙で損していますが中身はバツグン。ただ、ゼロから始める生徒さんには「毎日開きたくなる見た目」も立派な性能です。書店で1ページ読み比べて、続けられそうな方を選んでください。
やさしい高校数学が不要な人(先に確認!)
教科書レベルがすでに理解できている人
学校の授業についていけていて、教科書の例題が解けるなら本書は不要です。入門問題精講から始めて、入試への階段を登り始めてください。
問題演習の量を求めている人
本書は「読んで理解する」本で、演習量は多くありません。解く力は次の段階の参考書で身につける設計なので、演習目的なら入門問題精講や網羅系へ進みましょう。
受験直前期の人
高3の秋以降にゼロから会話形式の本を読み通す時間はありません。その状況なら、頻出単元に絞った学習や、入試で数学を使わない受験方式の検討も含めて戦略を立て直すべき段階です。
やさしい高校数学を使うべき人
学校の授業・教科書についていけない高校生
本書のベストユーザーです。授業でわからなかった単元をその週のうちに本書で「翻訳」して追いつく使い方は、定期テストの立て直しに直結します。
数学をゼロからやり直したい受験生・高卒生
「中学数学はなんとかなるけど高校数学が壊滅」という人の再スタート地点として最適です。高2の冬までにスタートできれば、本書→入門問題精講→網羅系のルートが受験に間に合います。
先取り学習をしたい中3〜高1
会話形式で独学しやすいので、授業より先の単元を自分で読み進める先取り教材としても優秀です。先取りで一度「聞いたことがある」状態を作っておくと、授業が復習になります。

おうちの方に買ってもらう必要がある場合は、この記事をご家族の方に共有しよう。
みんなの代わりにこの参考書のよさをしっかりプレゼンします。
やさしい高校数学の使い方・ゴール地点
STEP1:会話を「飛ばさず」読み進める
生徒キャラのつまずきや質問こそ、この本の心臓部です。「自分もそこがわからなかった」という共感ポイントを飛ばさず読むことで、疑問が残らない理解が積み上がります。
STEP2:例題は必ず手を動かして解く
読むだけだと「わかった気」で終わります。例題が出てきたら、本を閉じて自分の手で計算を再現してください。読み物系の参考書ほど、この一手間が効きます。
STEP3:1冊を2週間〜1か月で速く回す
この本の役割は「理解の土台作り」なので、完璧主義にならず、7〜8割の理解でどんどん先へ進んでください。わからなかった単元に付箋を貼っておき、2周目で回収すれば十分です。
STEP4:読んだ単元は入門問題精講で「解ける」に変える
本書で理解した単元から順に、入門問題精講の同じ単元へ接続していきましょう。「本書で理解→入門問題精講で定着」の単元ごとリレーが、ゼロからの最短ルートです。
ゴール地点:教科書と入門問題精講が「読める」ようになったら卒業
- 教科書の説明が「何を言っているか」わかる
- 基本公式を使って教科書の例題が解ける
- 入門問題精講の解説が詰まらずに読める
この3つがそろったら、本書は辞書役に回して次の段階へ。ここに永住しないことが、この本を最大限活かすコツです。
前後の参考書ルート
| 段階 | 参考書 |
|---|---|
| ゼロ→教科書 | やさしい高校数学(またはマセマ・スタディサプリ) |
| 教科書→入試基礎 | 数学入門問題精講 |
| 網羅 | 黄チャート(中堅志望)/基礎問題精講(時短) |
| その先 | 橋渡し教材→過去問(志望校別) |
本書の前に必要なものはありません(中学数学に大きな穴がある場合のみ、中学の復習教材を先に)。卒業後の接続先はこちらです。


「本を読むより人の説明を聞きたい」タイプは、本書の代わりにスタディサプリで授業動画から入るルートもあります。私の塾でも導入している組み合わせです。

まとめ
『やさしい高校数学』は、「入門書すら難しい」と感じた人のための、本当のスタートラインです。
会話形式で理解を積み、例題は手で解き、単元ごとに入門問題精講へリレーしていく。この流れなら、いま教科書が読めない人でも入試の土俵まで確実に登れます。
数学の挫折は才能の問題ではなく、スタート地点の選び間違いがほとんどです。自分の現在地に合った1冊から、もう一度始めましょう。

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