【坂田アキラの物理基礎・物理の解法が面白いほどわかる本】使い方や参考書ルートを塾長が徹底解説!

物理の授業を聞いても、公式が何を言っているのかさっぱりわからない…

公式は覚えたのに、問題になると手が止まってしまう…
物理はこの悩みが本当に多い教科です。そんな受験生の救世主になってくれるのが『完全版 大学入試 坂田アキラの 物理基礎・物理の解法が面白いほどわかる本』です。

KADOKAWAから出版されている本書は、図を駆使した「詳しすぎる」解説で有名な坂田アキラ先生の講義系参考書です。物理基礎と物理の両方を1冊でカバーする、全848ページの超大作です。

この記事では、23歳で個人塾を立ち上げ、開校9年目の今では2年先まで空き待ちをしていただいているわたしが、現場のリアルな意見をもとにお伝えします!
坂田アキラの物理のレベルと立ち位置
参考書ルートでの位置づけは教科書レベル〜入試基礎にあたります。
教科書と入試レベルの橋渡しとなる講義系参考書で、物理が苦手な人・これから物理を始める人が最初に手に取る1冊として最適です。
- 著者:坂田アキラ
- 出版社:KADOKAWA
- 発売日:2023年9月20日
- 定価:3,630円(税込)
- ページ数:848ページ
- 対象:高1〜高3(物理基礎+物理)
- 収録範囲:力と運動・熱力学・波動・電気と磁気・原子と電子(+三角関数の超基礎のおまけ付き)
本書の最大の特徴は、「これでもか」というくらい省略のない図解と解説です。
物理でつまずく原因のほとんどは「公式が表す現象をイメージできていないこと」です。本書は1つの問題に対して図を何枚も使い、式変形も途中を飛ばさず書いてくれるので、「なぜその式を立てるのか」が目で見てわかります。
848ページという分厚さに驚くかもしれませんが、これは扱う問題が多いからではなく、1問1問の解説が圧倒的に丁寧だからです。



数学でいう「入門問題精講」と同じポジションの参考書です。理解に徹底的にこだわった構成なので、独学のスタートにぴったりです。
坂田アキラの物理はこんな人には向かない
すでに物理が得意な受験生
河合塾さんの全統模試で偏差値60くらいをすでに取れているのであれば、この参考書はスキップしてもいいと思います。
基礎の理解はできているので、良問の風などの演習系問題集でガンガン問題演習をしていく方が効率的です。

丁寧すぎる解説は、得意な人にとっては「まわりくどい」と感じることもあります。参考書は自分のレベルに合わせて選びましょう。
要点だけをコンパクトに確認したい人
本書は848ページの大ボリュームです。「薄い本で要点だけサッと確認したい」という人には合いません。
コンパクトに要点をまとめたタイプが好みなら、物理のエッセンスのような参考書のほうが合っています。
読んで満足して、演習をしない人
本書は理解に重点をおいたインプット型の参考書です。
解説を読んで「わかった気」になっても、自力で解けなければ入試では1点にもなりません。標準レベル以上の問題演習とセットで使うことが前提です。

物理は「わかる」と「解ける」のギャップが大きい教科です。読んだ範囲はその日のうちに自力で解き直す習慣をつけましょう。
坂田アキラの物理はこんな人におすすめ
物理に苦手意識があって学校の授業についていけない人
物理は高校の教科の中でも「授業だけでは理解できない」の声がとくに多い教科です。
本書は用語説明と補足説明が満載で、教科書では省略されがちな「そもそもこの現象って何?」から解説してくれます。授業でつまずいた単元の救済用としても最適です。


どこか平成初期を感じるダサ、、味のあるデザインも一部見られますが、参考書全体の高いクオリティに免じて許せます!
独学で物理を入試レベルまで仕上げたい人
「学校の物理の進度が遅い」「物理選択なのに授業がわかりにくい」という受験生が、独学で基礎を固めるための1冊目として使えます。
物理基礎と物理が1冊にまとまっているので、この本を進めるだけで入試範囲の基礎を一気通貫でカバーできます。


物理基礎と物理で本が分かれていると「どこまでが物理基礎の内容か」を意識しないといけません。1冊にまとまっている完全版はその心配がなく、独学に向いています。
数式より先にイメージで理解したい人
物理が苦手な生徒さんの多くは、現象をイメージできないまま公式だけ暗記しています。
本書は図を何枚も使って現象を「見える化」してくれるので、公式暗記型の勉強から抜け出すきっかけになります。



物理でつまずく生徒さんの相談を受けると、実は三角関数やベクトルなど「数学側」に原因があるケースがかなり多いです。そこまでフォローしてくれるのがこの本のやさしさです。

おうちの方に買ってもらう必要がある場合は、この記事をご家族の方に共有しよう。
みんなの代わりにこの参考書のよさをしっかりプレゼンします。
坂田アキラの物理の使い方・勉強法
STEP1:講義パートをしっかり読む
まずは各単元の講義パートをしっかり読みましょう。
1回目で100%理解できなくても大丈夫です。7〜8割の理解でとりあえず先に進んでしまう潔さもときには大切です。
問題を解くうちに点と点がつながって、単元全体の理解が深まることもよくあります。

STEP2:例題を自力で解いてみる
講義パートを読んだら、例題を解説を隠して自力で解いてみましょう。
このとき大切なのは、必ず自分で図を描くことです。物体にはたらく力、電流の向き、波の様子。図を描かずに頭の中だけで解こうとするのは、物理が苦手になる人の典型パターンです。


本書の図解のうまさを「見て楽しむ」だけではもったいない。自分の手で同じ図を再現できるようになることが目標です。
STEP3:答えの数値だけでなく、立式のプロセスまで照合する
答えの数値だけでなく、式を立てるまでの考え方が模範解答と一致して初めて正解です。
「なぜ運動方程式を立てるのか」「なぜエネルギー保存で解くのか」という解法選択の理由まで模範解答と照らし合わせてください。ここを雑にすると、少しひねられただけで解けなくなります。

STEP4:解きなおしは1日・3日・10日・30日のサイクルで
まちがえた問題は次の日、3日後、10日後、30日後を目安に解きなおしましょう。
これは有名な忘却曲線をもとに、わたしがお勧めしている復習のタイミングです。
理解度がまだまだ低いときは早めの復習を、もうすこしで理解できそうだというときは復習の間隔を空けるようにしましょう。
STEP5:標準レベル以上の問題演習とセットで進める
すでに述べたとおり、本書はインプットに特化した参考書です。
単元の内容が理解できたら、良問の風などの演習系問題集で同じ単元をすぐ演習しましょう。1冊を最後まで終えてから次に進むのではなく、単元ごとに「理解→演習」を繰り返す方が物理は伸びます。

理由はシンプルで、次の参考書に進んだころには要点や解法を忘れてしまうからです。数学と同じ進め方ですね。
同じレベルの参考書は?
同じレベル帯でよく比較されるのは宇宙一わかりやすい高校物理と物理のエッセンスです。
| 参考書名 | 特徴 |
|---|---|
| 坂田アキラの物理(本書) | 図解と解法プロセスの詳しさが最強。1冊で物理基礎+物理をカバー |
| 宇宙一わかりやすい高校物理 | イラスト中心で概念理解に特化。読み物としてのとっつきやすさ重視 |
| 物理のエッセンス | 要点をコンパクトに整理。ある程度基礎がある人向け |
扱うレベルに大きな差はないので、取り組むのはどれか1つで問題ありません。書店で解説ページを見比べて、自分に合うものを選んでください。

物理が本当に苦手なら宇宙一、少しはりかいできるところもあるなら坂田アキラ先生、要点整理のスピード感を求めるならエッセンス、という選び方がおすすめです。
どのレベルまでクリアできる?次に取り組みたい参考書は?
この参考書を仕上げることで、定期テストや共通テストの基礎問題に対応できる力が身につきます。
しかし、入試レベルだとやっとここからがスタート。これ1冊で共通テストや二次試験に対応することはできません。
地方国公立や日東駒専・産近甲龍レベルの大学を目指すのであれば、次は以下に取り組みましょう。
- 良問の風(標準レベルの演習)
- そのまま志望校の過去問へ(日東駒専・産近甲龍レベルなら)
MARCH以上や難関国公立を目指す場合は、良問の風のあとに名問の森などの応用演習を追加していく流れになります。
坂田アキラの物理が難しいと感じたらどうしたらいい?
この参考書に取り組んでみて「うわ、理解できない、、」となったら、まずは人の説明を動画で見ることから始めたほうがいいと思います。
私の塾にも導入していて、早稲田大学の現役合格実績もあるスタディサプリをお勧めします。
全国的に有名な講師陣の授業が月額2,178円(税込)で24時間いつでも何度でも見放題です。物理の講座ももちろんあります。
スタディサプリの詳細はこちらに書いたので参考にしてください。中学講座の紹介ですが、使い方は高校生のみなさんでも変わりません。

まとめ
『坂田アキラの物理基礎・物理の解法が面白いほどわかる本』は、物理の「公式暗記」から「現象の理解」に変えてくれる入門書の決定版です。
848ページの分厚さは、それだけ解説から逃げていない証拠です。物理に苦手意識がある人ほど、この丁寧さに助けられるはずです。
講義を読み、自分で図を描き、立式の理由まで理解して、単元ごとに演習を重ねる。この流れを続ければ、物理は必ず得点源になります。

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みんなの代わりにこの参考書のよさをしっかりプレゼンします。
数学の対策もセットで進めよう
物理の土台は数学です。三角関数・ベクトル・微分積分でつまずくと物理も伸び悩みます。数学の基礎に不安がある方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。



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